2017年8月10日 | ビジネス
コンサルタントとは?「コンサルティング」という職業・仕事の実態を解説!
ここではコンサルタントの役割、および仕事内容について紹介していきます。
一般的にコンサルタントというと、「企業にアドバイスをする顧問役」といったイメージがあるかと思います。
いわば経営再建のプロと言える人達ですが、実際にはコンサルタントに依頼してから経営が傾いてしまったというケースもあり、必ずしも信頼できるコンサルタントだけではないのが実情です。
信頼されるコンサルタントはどんな能力を兼ね備えているのかという部分も見ていきましょう!
コンサルタントとは?
役割
コンサルタントは、企業からの相談に応じ、経営戦略の見直しや再建、財務や組織力の強化をお手伝いするアドバイザーです。
「企業の経営をいかに立て直すか」、というのが最大の任務です。
具体的には下記のような役割を担います。
- 経営状況の把握
- 開業計画書の作成
- 宣伝広告の見直し
- 人事の強化
- 金融機関のサポート
- 財務戦略のサポート
上記について長期的な支援をしていきます。
コンサルタントはもともと存続する会社だけでなく、これから新規に立ち上げようとしている会社やお店のプロジェクトに関わるケースもあります。
例えばレストランを開くときや病院を開業するときにコンサルタントのサポートを受けて、どのような場所に立てて、どのような資金調達をすべきかといったアドバイスを送るケースもあります。
コンサルタントは種類が多い
会社の立ち上げから運営まですべてに関わるコンサルタントもいますが、特定の分野のみサポートするコンサルタントもいます。
- 経営コンサルタント
- マーケティング系コンサルタント
- IT系コンサルタント
- 企画運営コンサルタント
- 事業開発コンサルタント
紹介したのは一部ですが、このようなコンサルタントが多いです。
例えば人事だけ強化したいという場合、人事に特化したコンサルタントを行っている企業もあります。
人員数の見直し、適切な人員配置、正社員と非正規社員の比率検証、相談役や顧問役の設置等を行い、経営体制の見直しに関するアドバイスをします。
人件費コストを見直し、適材適所に配置することで作業能率を上げ、経営を安定させるという狙いがあります。
経験のあるコンサルタントなら同業他社の状況も把握しているのでそれを参考に、理想的なアドバイスをしてくれます。
ただ、特定のコンサルをするのではなく、経営全体をカバーする経営コンサルティングが最も多いです。
どんな業界に必要とされている?
コンサルタントは業界を問いません。
外食産業、アパレル産業、製造系、物流系、不動産など様々な分野でコンサルティングは必要とされています。
ただ、何か一つに特化した事業だけを行っている会社は、コンサルティングをお願いするケースはほとんどないでしょう。
例えば、自社工場で本の製本をしているとします。
新たな取り組みはなく、クライアントからの依頼によって製本するだけという仕事内容なら、そこまで事業に手を加えようがありません。
改めて戦略を見直したり、経営状況を見直すような構造になっていません。
一方、新規プロジェクトを続々と立ち上げるような会社はコンサルタントが介入するケースも多いです。
例えば、楽天のようにネット事業だけでなく銀行や証券、保険、信託、電子マネー、スポーツ、情報サービスなどを提供している企業は日々新しいプロジェクトが動きだしています。
そういったときに、それぞれの専門家(コンサルタント)に相談し、プロジェクトを実行するということはよくあることです。
コンサルタントはどんな人がなれるの?
コンサルタントは経営に携わっていた者、あるいは経営に関する事業に携わっていた経験者がなるケースが多いです。
例えば、会社経営者以外に業務経営に携わる公認会計士や税理士、弁護士、行政書士などが転職してコンサルタントになるケース。
一般の会社員が転職してコンサルタントになろうと思っても、なかなかなれません。
20代や30代でコンサルタントになっている人もなかなかいませんし、仮になっていても経営のアドバイスをするほど説得力を持てないのが現状です。
経営や商売の知識を有している者、また財務状況や法務上の知識を備えている人が、コンサルタントになることが多いです。
特に法律の知識を有している人でないと、トラブルを招いてしまうこともあります。
会社の代行としてM&Aに関し、相手方と交渉することは規定に抵触する可能性もあるので、必ずしもすべての事業や経営に関して介入して良いわけではありません。
弁護士出身のコンサルタントであれば、そういった知識も持っています。
経営を立て直すだけでなく、法律上問題ないサポートをできるかがコンサルタントを選ぶときに大切です。
コンサルタントの仕事内容とは?
仕事の進め方
コンサルタントは基本的に一人で会社のプロジェクトに関わるわけではありません。(そういったケースも時折ありますが)
コンサルティング会社の複数の社員がプロジェクトチームを組んで、その依頼を受けたクライアントの経営改革に乗り出すというケースが大半です。
コンサルティング会社によって、仕事の進め方も異なりますが、多い流れは下記のような形です。
- 企業の問題点をピックアップ
- 分析
- 戦略の構築
- 想定
- 実行
- 検証
問題点を洗い出して、どのような対策を講じ、そしてどのような成果が得られるかという戦略を立てるのがコンサルタントの仕事です。
当然実行の間はトライ&エラーを繰り返し、細部の検証も行い、軌道修正することもあります。
コンサルタントはあくまでも客観的な視点で現状を分析する立場なので、100%成功することを約束する存在ではありません。
そういったことを正直に伝え、一緒に再建に乗り出してくれるコンサルタントが優秀な会社です。
コンサルタントならではの役目とは?
コンサルタントの魅力は、その企業に属していない人ならではの視点です。
例えば、外的環境の変化には常に敏感に感じ取っているので、コンサルタントならではのアドバイスを送ることができます。
分かりやすい例を挙げて紹介してみましょう。
携帯会社のA社とB社が学生向け料金プランを始めたとします。
そして残りのC社も学生向け料金プランを検討したとしましょう。
ただ、他社のA社とB社に遅れをとっているため、どのようなサービス展開をしてアピールしていくかは難しいところ。
すでにA社とB社は学生向け料金プランを始めていて、学生の契約者増でリードしています。
「それならば学生向け料金プランと並行して、インターネットのプロバイダ料金を安くしてアピールしていきましょう!」とアドバイスすることも可能です。
もちろんC社も同業他社のことは日々検証しているはずですが、「どのような事業展開をして、どのような経営状況になったのか」というデータはコンサルタントの方が調査能力に優れています。
コンサルタントと常に提携していれば、「まだライバル社はこんなサービスを実行していないので、検討してみてはいかがでしょう?」といったアドバイスを受けることもできます。
どうしても企業は、自社の経営状況だけに目がいきがちです。
しかしコンサルタントは経営だけでなく他社の動向、M&A対応や法改正、機構改革など多角的な視野に立って経営の安定を見ているため、社内だけではわからないアドバイスを受けることもできます。
コンサルタントでも失敗するケースはある?
経営支援に優れているコンサルタントでも100%アドバイスが成功するとは限りません。
実際何千万円もコンサルタントに支払って、それでも経営が悪化してしまったという企業もあるぐらいです。
コンサルタントの能力を見抜くには、過去の実績や失敗例も正直に話してもらうことです。
例えば、
「不採算店の立て直しを図ったが、こういった失敗をしてしまった。しかしそれ以来、同様のケースがあった時に違うアドバイスをして、経営立て直しに成功した。」
などの実績があると説得力がありますね。
実際に関わった企業の一覧を提出してもらって、どのような経営状況になっているかを見るのが手っ取り早いです。
その際、どんな経営に携わったのか聞いてみましょう。
- 新規オープン店の開業
- 店舗立地条件や物件調査
- 企画立案
- 予算の見直し
- 不採算事業の見直し
自社が悩んでいる事業や計画について、過去に建て直した経験があるコンサルタントだと心強いです。
成功例だけでなく失敗例も必ず聞くようにしましょう。
日本で成功しているコンサルタント企業とは?
コンサルタントというと海外のイメージが強いですが、日本でもコンサルティングを専門とした企業が多数存在します。
有名なところでは、下記のようなところがあります。
- IBMビジネスコンサルティング
- 日立コンサルティング
- 野村総合研究所
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
- 三菱総合研究所
- 富士通総研
例えば日立コンサルティングは日立の系列企業だけを支援するコンサルティング会社ではありません。
社会のインフラを整えることを目的とした社会イノベーション事業全体を改善しようという取り組みを行っています。
インフラの基盤となるエネルギーや交通などに関わる事業ならアドバイスを受けることができます。
こういった企業へ就職するなら、必ずしも税理士や弁護士出身でなくても大丈夫でしょう。
同業種の経験があればアドバイスを送る立場(コンサルタント)になれます。
まとめ
以上、コンサルティングの職業と仕事内容について紹介しました。
経営全体を見直してくれる経営コンサルタントが有名ですが、例えば、コスト削減や新規事業の相談といった部分的な相談もしてくれるコンサルタントがいるので、非常に身近な存在になってきています。
今後も課題解決への道筋が全く見えていない場合は、コンサルタントにお願いするという会社が多くなるでしょう。
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